バットで殴られたから痛いというのであれば原因がハッキリしているのですが、重いものをもつ仕事で急に持てなくなってしまったり、久しぶりにスポーツをした後に急に痛くなってしまった、など特に悪いことをしたという自覚がないのに痛みが続く場合は注意が必要になります。
この記事では、50代以降の二の腕が痛くて困っている人が、自分のカラダに起こっていることを正しく理解し、どう行動すればいいのか?お伝えします。
この記事を読むことで
を理解して、正しい行動をとってもらえるようになります。
いきなり結論を申し上げますと、二の腕が痛い50代以降の方は腱板断裂や石灰沈着の恐れがあります。
これは四十肩の一種になりますので、自分でできること(テーピングやアイシング)はほとんど効果がありません。
言い換えると「二の腕が痛い」というのは四十肩の初期症状である、とも言えます
では二の腕が痛い人に起こってる可能性が高い「腱板断裂」と「石灰沈着」の二つはどのようなものかを解説したいと思います。
聞きなれないかもしれませんが、腱板とは肩(肩甲骨まわり)にある4つの筋肉のことをいいます。
具体的には棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という筋肉です。
図の引用;Richard L. Drake著、塩田浩平訳『グレイ解剖学』エルゼビア・ジャパン,2011年,p.656
これらの筋肉は肩関節を構成する上腕骨を回旋(=ひねる動き)させる筋肉なので「回旋腱板」とも呼ばれます。
特に棘上筋の腕側の付着部に断裂が見つかるケースが多いです。
これらの筋肉は50代を過ぎると自然に断裂していることが増えてくる傾向にあります。
また断裂していても痛みを感じないケース(無症候性の断裂)が65%ほどあるため、気づかないうちに発症していることも多々あります。
上記二つの図の引用;山本敦史「疫学ー症候性断裂と無症候性断裂ー」『関節外科 Vol.10』MEDICAL VIEW,2015年,pp.10-11
ですから症状はないけど実は四十肩になっていた、という人もときどき遭遇します。
石灰沈着は筋肉の組織の中に石灰(小さなカルシウムの塊)が溜まってしまうことです。
石灰が溜まった状態で肩を動かそうとすると(腕を前から挙げる、腕を横から挙げるなど)激痛が走ることが多いです。
石灰が大きくなってしまった場合、滑液包というクッションの役割をする組織を破ってしまったり、身体が石灰自体を異物と認識してしまうことがあります。
こうなると白血球が石灰に攻撃をしてしまって最悪です。
じっとしていても激痛が走り、赤く腫れ、熱を持ってきます。
夜も眠れないくらいに痛みがでる場合があります。
氷で冷やしてもシップを貼っても基本的には効果は少ないので、そうならないうちに発見し、専門家に任せるのが一番です。
上記の二つに凍結肩という症状を加えたものが四十肩の三大分類になります。
ですが、凍結肩というのは痛みがなく本来柔らかい組織が固まって肩の動きの範囲が極端に少なくなっている状態ですので、この二の腕に痛みが出たばかりの時点では当てはまらないことが多いでしょう。
腱板断裂、石灰沈着が起こる→痛みなどで動かせない状態が続く→凍結肩発生
という順序で起こることが多いです。
四十肩という診断名を聞いたことはみなさんも多いのではないでしょうか?
そしてみなさんの周りにも「経験者」の人がたくさんいると思います。私がこれまで多くの患者さんに四十肩について説明すると
という方がほとんどです。周りの経験者さんの情報を聞かされているようです。
ですが!その情報をおっしゃっている人とアナタの肩は違います!
その人は軽い石灰沈着で放っておいて消えたかもしれませんが、アナタは断裂しているかもしれません。
ここで重要なのは「周りの人に起こった症状と自分の症状が一緒とは限らない」ということを認識することです!
正しい検査をして正しい状況を把握し、正しい治療を受けましょう。
ではどのような検査が有効で正しいのか
肩に何が起こっているのかを検査する必要があります。
検査というとレントゲンを思い浮かべると思いますが、結論をいいますとレントゲンだけでは不十分です。
レントゲンは骨しかうつりません。
ですが腱板は筋肉なのでその断裂の様子を診るのには不向きです。
また石灰はカルシウムの塊なのでレントゲンにうつることもあるのですが、上腕骨や肩甲骨にかぶって隠されてしまうこともあり発見できない場合もあります。
MRIによる腱板断裂が発見できますが、専門家に中では部分断裂(筋肉の一部分だけ切れかかっている)の場合、MRIの精度が低くなるということを問題視している先生もいます。
有効なのはエコー検査(超音波による検査)です。
エコー検査のメリットは、リアルタイムで表示され、筋肉、骨、靭帯などさまざまな組織を描出することに適していることです。これによって患部をくまなく観察することができます。
デメリットとしては体表近くの組織しかうつせないことがありますが、今回の検査には問題ないものです。
当院での石灰沈着のエコー検査画像
実際の当院での腱板断裂のエコー観察の様子をYoutubeで配信しております。こちらもご参考になさってください
まとめると
となります。もしアナタが二の腕が痛くなり初診にかかろうとしているのであれば、エコー検査のあるところかどうか、ということを目安にしてみてはいかがでしょうか。
ではこれらの症状を治すためにどのような治療・処置をするのでしょうか
一般的な治療方法をここで紹介しますが、あくまで参考までに、とお考えください。
※実際にかかられた病院、接骨院での治療を優先してください
断裂の程度がひどい場合は手術になります。
軽い場合は筋肉の再生を促す超音波治療器を用いて再生させつつ、運動療法といったリハビリを組み合わせて肩関節の可動域が悪くならない(凍結肩を作らない)こと目的とした治療・施術になります。
まだ二の腕が痛い、という症状が発生してそんなに期間がたっていない場合、手術をしなければならいほどの断裂である可能性は少ないでしょうから、早めの検査を受けて早期回復されるように心がけるとよいでしょう。
石灰が沈着していた場合は、主に三つになります。
衝撃波はいわゆる胆石や尿路結石などで石が詰まっているものを破壊するのと同じです。
ですが設備があるところがまだ少ないです。
注射による融解は小さめの石灰の状態では有効ですが、あまり大きい場合は効果が薄いです。
経過観察というのは、様子をみるということです。
小さい石灰は必ずしも大きな石灰になっていくわけではなくそのまま消滅していくケースもたくさんあります。
「四十肩だったけど、放っておいたら治ったよ」
とおっしゃる方はこのケースだったと思われます。
なので2~3週間後に再度エコー検査をして石灰の大きさの変化を診る場合もあります。
ただし小さい石灰だった場合、という条件付きになりますので検査も何もせずに放っておくのはオススメいたしません。
「二の腕が痛い」という症状が自然発生したら・・・
+アルファとして
となります。何の知識もなく様子を診るだけでは症状は進行してしまいます。
自分だけで頑張らずにキチンと専門家に相談しましょう。
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]]>ここからは足の舟状骨に痛みがある場合について紹介していきたいと思います。
まず舟状骨はココにあります。
この位置に痛みがでた場合、次のような傷病が疑われます。
今回、質問をいただいた方が15歳ということですので、その年齢とスポーツを頑張っているという環境を考えると、次にでてくる有痛性外脛骨の可能性が高いと思われます。しかし、痛みが出始めたきっかけとして軽い捻挫を繰り返していたとのことですので、舟状骨にキズがついて骨折しているという可能性もあります。
骨折というとレントゲンを撮れば診断がつきそうなものですが、もともと外脛骨として骨が二つに分かれていた場合、その判断は非常に困難なものになります。
万が一骨折していた場合、非常に骨のつきが悪いことが多いため、しっかりと固定をすることが必須となります(下にも書いてあります)。
有痛性外脛骨についてはこちらの記事に詳しく書いておりますので、ここではカンタンに説明いたします。
10歳前後になるともともと二つの骨だった舟状骨がひとつの骨に癒合されます。これがうまくできない状態が外脛骨といわれます。
しかし、癒合がされずに二つに分かれていても痛みが出る場合とでない場合があって、痛みがあるものを有痛性の外脛骨とよびます。
舟状骨骨折と同様に外傷のようなきっかけがあって痛みがでることが多いです。
こちらの記事に詳しく書いてありますのでご参考にしてください。
上記の3つの症例ですが、どのように見分けるのでしょうか?
今回はもともと舟状骨が二つの状態であることを前提として紹介します。
もともと舟状骨が二分されていることを考えるとレントゲンのみの判断は少し弱いかもしれません。
今回の質問してくださった方のように捻挫の既往や発生原因がなければ、レントゲンだけでの判断も可能かもしれませんね
エコー観察ではドップラー機能を使った血流反応の有無を確認することが可能です。
この血流反応がみられる場合、舟状骨骨折の可能性が高いです。
患者さまのご協力のもと掲載しております。
患部のしっかりとした固定が必須となります。
当院の臨床経験としては一か月を超える固定を行いました。
後脛骨筋付着部症でも後脛骨筋にキズがついていることが多いため、初期に行う治療としては固定になります。
当院でよく使われるインソール組込式U字ギブスシーネ
筋膜整復による全身に対する施術が有効です。
基本的に若年層に起こる傷病なので痛みをとる施術を行うことによる効果は大きいです。治りもいいといえます。当院では2~3回の施術を行うことで痛みをほぼなくしています。
舟状骨が割れている場合に注意すべきは、自然に痛くなったものか、それともひねるなどの発生原因があったかという点になります。
それはすなわち骨折が潜んでいる可能性でありその有無の確認が重要となります。もちろんひねったから必ず骨折というわけではないのですが、レントゲンでも見つけにくいということを理解しておけば、もし治りが悪かった時にいろんな選択肢がでてくるのではないでしょうか。
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]]>いろは接骨院には子供の患者さんがたくさん見えます。
部活や少年団でスポーツをしているとどうしてもケガというのはつきものです。しかし、はっきりとしたケガではなく自然と膝が痛くなってくる子供も少なからず存在します。
今回はそんな成長期の膝の痛み、オスグッドについて解説したいと思います。
オスグッドの原因から症状、そして治療法までをわかりやすく解説しています。
この記事を読むことで自分やお子さんの膝に起こっている症状を理解してお悩みを少しでも早く解決できれば、と思います。
オスグッド(正式にはオスグッド・シュラッター病といいます)は子どもの成長期に膝のお皿の下にあるすねの骨に変形や痛みがでるものです。
結構有名な名前みたいで患者さんのお母さんもオスグッドでしょうか?みたいなことを聞いてきたりします。
成長期にグングンと身長が伸びることにより骨の伸びに筋肉がついていけず引っ張られるという説が主ですが背が全然伸びていないし変形もないのに痛みが出るコもいたりします。
変形は出るお子さんと出ないお子さんがいます。
ちょうど膝蓋靭帯という靭帯が付く位置に成長軟骨が存在するために引っ張られて変形すると言われています。
先ほどの写真の位置に痛みがでます。
ジッとしてるときに痛いという子もいれば、しゃがむと痛い、走ったりジャンプしたりすると痛い、というお子さんもいるようです。
変形が原因で痛みが出ていると思われがちですが、変形があっても痛くない場合や、変形がなくても痛い場合もあり、一概に変形=痛みの原因とはいかないようです。
オスグッドの検査はレントゲンやエコーなどが主流です。
レントゲンは骨の変形を主に診ます。
というか骨しか映らないので変形がない場合には異状ないといわれるかもしれません。
エコーは骨の表面の様子と患部の血流反応が診られます。
成長期の軟骨には血流反応が診られることが多いのでそれが炎症反応と同じ症状を引き起こしている場合もあります。
エコーによる骨の不整像
※当院の患者さまに協力いただきました
太ももの前に大腿四頭筋が存在します。この筋肉(特に大腿直筋)の終着地点がすねの骨の上部になります。成長期にはこの終着地点がまだ軟骨の状態です。軟骨はその名の通り柔らかい骨です。
この柔らかい軟骨に大腿四頭筋の引っ張る力が加わることで変形がおこるとされています。
同じような時期に膝の痛みを訴える子供は少なくありません。
すべての子供の膝がオスグッドということではないのですが見分けをしたほうがいいケースもあります。
下の記事にオスグッドに似た傷病の見分けを書いております。
一般的なオスグッドはテーピングやマッサージ、ストレッチなどで治療されることが多いです。
当院でも以前から良く行われていましたが、最近は筋膜を正しい状態にする「筋膜整復術」をメインにしております。
先ほどリンクを紹介した記事にストレッチのことも書いてあります。
自分の家でする場合の参考にしてください。
これまでのオスグッドの認識は先ほどにも書いた「大腿四頭筋」がすねの骨を引っ張ることが原因とされていました。
しかし、変形していても痛くない子もいるという事実の説明がつかなくなります。
そこで新しい考え方「筋筋膜経線(通称:アナトミートレイン)」を取り入れて治療を行っております。
これまで痛みの原因と考えられていたすねの骨を引っ張る大腿四頭筋は、全身に張り巡らされた筋膜のラインの一部分という考え方です。
下の写真をご覧ください。
かかとから始まった筋膜がふくらはぎ→太もも→腰→背中と登っていき、最後は後頭部までつながっています。
引用文献1)
このような筋膜のラインが体には何本も存在しており、その途中の筋膜の一部が歪む(伸びない・縮まない)ことによって違う部分にストレスがかかります。
引用文献1)
ストレスがかかった状態で日常生活やスポーツなどを行っていることにより、そのストレスの繰り返しにより痛みの刺激が発生するという考え方です。
ストレスをかける原因となっている一部の筋膜の歪みを整復することで痛みをかなり取ることができます。
痛みを早く取りたい方や、他の治療(ストレッチやテーピング、マッサージなど)をしていてもあまり変化がなく困っている方にはオススメです。
当院でも以前はオスグッドにもテーピングをしていましたが、あまり効果があるとは言えませんでした。
アナトミートレインの考え方を用いると、膝の部分にかかるストレスは大腿四頭筋だけで起こっているわけではないのです。
ですから四頭筋だけにテーピングを貼っても効果が少ないと考えています。
膝の痛みで部活や試合に悔いを残さないようにできるお手伝いをいろは接骨院では行っています。
太もものテーピングやマッサージなどを行っても変化がない場合、ひとりで悩まずに一度ご相談ください
引用文献
1)「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
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]]>これまで足底筋膜炎に対する主な治療はテーピングとインソールでした。
当院でも行ってきましたが、この二つでは足底筋膜炎が治る場合と治りにくい場合がありました。
かかとにある脂肪体をまとめるテーピングになります。
youtubeでやり方をアップしているのでご覧いただけると幸いです
インソールは足の歪みを矯正することでかかとの骨の配列を整えます。
これによってしっかりとしたポジションの足で着地することになり、衝撃に耐える力がつきます。
これまで、この二つの治療である程度の結果をだしてきました。
でも先ほども書きましたが、良くなる場合とならない場合がありました。
この二つの治療の共通点は「足底」をターゲットにしていることです。
新たな治療はどこが違うのでしょうか?
新しい治療法はこれまでの足底筋膜炎の治療の概念を覆します。
足底筋膜炎という傷病の認識ですら変わりました。
というよりは認識を変えないと痛みが取れなかった、という表現が正しいでしょう。
これまでの治療では足底筋膜炎に対して「足底」や「足底筋膜」をターゲットにしていました。
足底筋膜炎の痛みをなくすために行う治療が劇的に成果をあげるようになったのはそのターゲットを全身に広げたことです。
全身にある筋膜の、一部で起こっている歪みを見つけてそれに対しての治療を行います。
手技の名前としては筋膜整復といたします。
この全身の筋膜を整復することで次のようなメリットがあります。
この治療法を用いると痛みが即効で減ります。
2~3回から数回の施術で痛みがほぼなくなります。
なぜそんなことが可能なのか?まだ理解できませんよね。
これまでの足底筋膜炎の認識では
「炎症が起こってるからそれが引くまで痛い」
「太っているから痩せるまで衝撃は減らないから治らない」
そんなふうに思っている患者さんからするビックリする事実です。
どのような理由で痛みが取れるのか?ということを以下に説明させていただきます。
そもそも治療とは痛みの原因を取り除くものです。
なぜ痛みが取れるのかを理解するために痛みについて理解してもらう必要があります。
専門的な言葉はなるべく控えて書いてありますので気軽に読んでみてください。
痛みが発生するメカニズムは次の式で表現できます。すいません、院長バリバリの理系人間なのでこんな説明になります。
式の右辺は掛け算ですのでどちらかがゼロのときは痛みは発生しません。
痛みの神経(以下、痛覚神経)がないところに刺激を加えても痛みを感じません。
肘をギューっとつねっても痛くないですよね?
また同様に痛みの神経があるところでも痛みの刺激がなければ痛くないです。
逆に痛みが強くなるのは「痛覚神経が豊富にあるところ」に「痛みの刺激がたくさんかかった」場合であるといえます。
先ほどの式で痛みが強くなる条件は「痛覚神経が豊富にある」×「刺激がたくさんある」ことでした。
この式の「痛みの発生」をゼロにするためには痛覚神経をゼロにするか、刺激をゼロにするかのどちらかになるのはお分かりいただけるでしょう。
しかし痛覚神経を物理的に筋膜からなくすことはできませんよね。
ですから痛みをとるには刺激のほうをなくすという手段をとるしかありません。
ではこの刺激をなくすためにどうすればいいのでしょうか
これまで足底筋膜炎というと「足底筋膜」が原因だと思われていました。
しかし筋筋膜経線という考え方を用いると足底筋膜を含む筋膜は全身に走っていることがわかりました。
引用文献「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
足底筋膜はかかとを通る筋膜のラインの一部分でしかなかったのです。
ですからこれまでの足底をターゲットにした治療(テーピングやインソール)で治る人たちもいました。
それは足底筋膜だけが悪かった人たちです。
全身に走る筋膜がどのようにかかとへの刺激になるかをカンタンにイメージしていただこうと思います。
もしアナタがいま長袖のシャツを身に着けていたら、肘を直角に曲げたまま、二の腕のところの衣類をグッと握ってみてください。
その状態のまま肘を伸ばすと通常よりも袖がまくりあがります。
シャツが筋膜だと考えるとぐっと握られた部分が筋膜の歪みで、まくりあがった袖が患部へのストレスです。
このように一部の筋膜に歪みが出た状態のまま生活やスポーツをしていると離れたところで筋膜にストレスがかかっています。
これが痛みの刺激となっていくのです。
一部の筋膜に歪み→違う場所にストレス→スポーツなどで繰り返される→痛みの刺激となる
カラダのどこかで起こっている筋膜の歪みを見つけて、それを取り除くことが足底筋膜炎の痛みをなくす治療手段となるのです。
ここからは当院に実際に来られた患者さんの症例を紹介しながら治療法をごらんいただきます。
50代女性
半年ほど前にたくさん歩いたときからカカトが痛くなった
筋膜のラインの途中(骨盤部)までは分岐がありませんのでチェックとリリースが同時進行となります。
足底部→下腿部→大腿部→骨盤までを行いました。
その後、体幹のひねりなどの可動範囲をみて動きの悪さを取っていく筋膜ラインを決めていきます。
かかとに近い部位から順番にチェックとリリースを行い、その都度、痛みを数値で言ってもらいました。
最初の痛みを10として表現してもらいます。
足底リリース後 10→8
下腿(ふくらはぎ、すね)リリース後 8→6
大腿(ふともも)リリース後 6→2
ここでかなりの変化がでましたね
骨盤と腹斜筋(脇腹の筋肉) 2のまま
ここから先はあまり変化が認められないかな、と思ったのでテーピングを施して一回目の施術が終了しました。
初回から3日後にもう一度施術をさせていただきました。
スタートの時点ですでに3くらいの痛みしかありません。
今回も大腿リリースの後に変化を感じられたようですが、少し痛みが残るとのこと。
このくらいになると最初の痛みからすると2くらいになっているので細かい数値化が難しいみたいです。
この前鋸筋の筋膜を調整すると、かかとの痛みだけでなく右手の腱鞘炎の痛みはほとんど無くなりました。
左足のかかとの痛みと右手の痛みの原因が同じだなんてなかなか考えられないですよね
この時点でカカトを押しても痛くないとのことでしたが、違和感を感じていると言っていたのでテーピングをしたら痛みがなくなったとおっしゃっていました。
これまでの治療であるインソールやテーピングとのハイブリッドの治療をするのもありだなあと感じました。
全身に広がる筋膜のどこかに歪みがでるとそれが違う場所でのストレスになっていることがあり、足底筋膜炎の原因は足底筋膜だけでないことが多いです。
今回は太ももの筋膜と肩甲骨周りの筋膜の異常がかかとの痛みの原因でした。
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▼シンスプリントがなかなか治らない理由
▼シンスプリント用の試合前のテーピングの貼り方
▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
では本編をご覧ください
シンスプリントは部活を頑張っている人に起こるすねの内側の痛みです。
頑張り屋さんがなるスポーツ障害を治すためにはやはり少しの期間、休む必要もあります。
しかし頑張り屋の選手にこれを伝えるのはものすごくツライことでした。
その子が早く競技に復帰したいと願っているのをよく知っているからです。
このスポーツ障害の治療に一番頭を悩ませたのはその点でした。
だから少しでも早く復帰できるように
少しでも痛みがなくなるようにと
さまざまな治療法をやってきてたどり着いたのが今回の治療法です。
この治療法を取り入れることで
治療期間が短くなり、治療回数も減りました。
部活を休んでもらう期間も短くなって、競技復帰が早くなりました。
それは、これまでシンスプリントのせいであきらめなければならなかった試合に出れるようになり、痛みのせいで競技自体を続けることができないということを無くすことにつながりました。
ひとつだけ言いたいことがあります。
どんな痛みも原因があり、それを取り除けば治療できるんです。
この記事を読んでそれを理解し、そして痛みのない競技復帰をしてもらえることを願っています。
シンスプリントの治りが悪く苦労する選手は多いです。
いろんな病院、接骨院、整体などに行かれたという患者さんもいらっしゃるでしょう。
「いままでにどんな治療をしてきましたか?」
と聞くと
テーピング
アイシング
ストレッチ
低周波(電気治療)
インソール
といった治療方法を経験されていることが多いです。
これを読まれている方もこのうちのどれかを経験済みかもしれませんね。
これらの治療方法で治るシンスプリントは特に軽症な状態だと思います。
しかし軽症な時点で治療に来院する患者さんはほぼいないです。
そもそも一生懸命に部活に打ち込む子たちがなるスポーツ障害です。
特に痛みが強くなり、ガマンできないくらいになってから来院されることが多いでしょうし、このページをご覧になっているアナタ(のお子さん)も同じ状態でしょう。
そのようなヒドイ状態のときには、これらの治療はあまり効果的とは言えません。そしてそれを続けるのは貴重な時間をムダに使ってしまうことになります。
以前に書いた記事に紹介してあるのですが、シンスプリントがなかなか治らない理由があります。
こちらの記事にまとめたのですが、治らない理由は4つです。
そのうちのイチバンの理由は治療する対象が間違っているということです。
いろんなホームページをみて書いてある後脛骨筋という部分はシンスプリントの原因の氷山の一角なのです。
ここからはシンスプリントの新しい治療について書いて行きます。
先ほどの氷山の一角の図に後脛骨筋以外のいろんな筋肉の名前を書きました。
これらの筋肉の”膜”である「筋膜」が治療の対象になります。
筋膜はその名のとおり筋肉を包む大きな膜です。
シンスプの治療のために筋膜について理解してもらうことは二つだけです。
ひとつは複数の筋肉を経由して包むということ
もうひとつは筋肉を守るために刺激に敏感であるということです。
筋膜は複数の筋肉や骨膜を経由している一枚の線維です。
腕にある筋膜が指から肩までの筋肉を覆っている図を紹介します、が少しグロイので見たい方はクリックしてください(拡大されます)
文献1)
文献によると
筋膜には多くの感覚受容器がある。その総数は、数え方にもよるが、 ヒトの最も多い感覚器官とされる目の網膜の受容器の数を上回る。
もちろん、他の組織も、私たちが感じる身体感覚に関与している。関節包(一種の筋膜とする分類体系もある)にも骨にも感覚がある(多くは筋膜、あるいは骨膜による)
※引用文献「ビジュアルで学ぶ筋膜リリーステクニック」Til Luchau
とあります。
シンスプリントでもオスグッドでも足底筋膜炎でも共通なことですが、実は筋肉や骨の実質に痛みを感じる神経(痛覚神経)は少ないです。
痛覚神経が一番豊富なのは筋肉や骨の表面にある筋膜や骨膜なのです。
理由は簡単です。痛みの刺激は外から来るからです
カラダで言えば痛みの刺激を皮膚が感じることでカラダは守られています。
腕に針が刺さったら痛いと思って引っ込めますよね?
これと同様に筋肉や骨も筋膜や骨膜が表面にあり痛みに対する監視役になっています。
これを逆にすると「痛みが発生している」=「筋膜や骨膜になんらかの症状がおこっている状態」だと考えられます。
では痛みが発生している筋膜にどんなことが起こっているのでしょうか?
あるカラダの使い方を繰り返すことで大きな筋膜の一部に動きのクセができてしまいます。
伸びるべき筋膜が伸びなかったり逆に縮んでいるはずの筋膜が縮んでいなかったりします。
このある場所での筋膜のクセが違う場所にストレスをかけてしまいます。
Tシャツの右胸のところをつまんでひっぱると左の脇腹のシャツがひっぱられてしまうでしょう。
このTシャツを筋膜と考えてもらうとわかりやすいかと思います。
このストレスが筋膜にたくさんある痛覚神経を刺激します。
シンスプリントとは、カラダのどこかで起こっている筋膜のクセがすねの内側の筋膜にストレスとしてかかっているのです。
文献1)より
当院でのシンスプリントの治療はこの最初におこる筋膜のクセによる歪みの場所を見つけて、調整することになります。
筋膜のつながりの実際の図の一例をご覧いただきます。
文献1)より
たくさんのラインがあるうちの一つです。
またどこのラインに歪みがでているかはおこなっている競技や個人個人で違います。
それを見つけるところからがいろは接骨院の仕事となります。
これは実際に患者さんのカラダをみることでしかわかりません。
テニス部がボールを打つ動作
バスケ部でドリブルをする動作
野球部でボールを投げる動作
サッカー部でボールをける動作
それぞれにやっていることはバラバラです。
シンスプリントの原因となる繰り返しの動作がバラバラなので筋膜のクセもそれぞれ違ってきます。
当院でおこなうシンスプリントの治療(施術)例をご覧いただきます。
以前違う記事に書いたものをこちらに転載いたします。
痛い場所
左足のすねの内側(下の写真の×点)
走ると痛いというのが主な訴えですが、自分で押しても痛みが発生していました。この痛みをなくすことを治療の第一の目的にします。
筋膜の歪みが考えられるところを探していきます。
①膝関節→股関節の可動域を確認する
→膝関節の下に一部筋膜の硬さを発見。
そしてアナトミートレインのラインにしたがって上方へチェックしていきます。
②体幹の左側屈が右に比べて少ない
→左上前腸骨棘から外腹斜筋が始まるところに筋膜の異常な硬さがあり、動きが制限されていました。
文献1)より
③首の側屈が左に倒れにくい
→右の頭板状筋に筋膜の異常な硬さと動きの制限あり→右の腰部に筋膜の重積があり(今回のシンスプリントとは関係ありませんでした)
これら(①と②)の筋膜の異常を手技によってリリース(解放)しました。
シンスプリントの痛みを取るのには筋膜の歪みを調整する治療法が有効です。
※引用文献1)「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
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▼シンスプリントと疲労骨折の見分け方
▼シンスプリント用の試合前のテーピングの貼り方
▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
中学や高校に入学して部活を頑張り始めて1か月がたつ頃、すねの内側が痛くなってくることがあります。
最初のうちはなんだろう?少し頑張りすぎたかなと思っていて少し休んだりしたら痛みがひいていきます。でもまた部活や体育をやっていると同じ場所が痛くなってきます。
こんなことを繰り返しているうちにずっと痛くなったり、以前より少ない量の運動で痛みがでてしまうようになります。
ネットで調べてみるとどうやら「シンスプリント」というらしい。
先輩とかに聞いても同じように痛くなったりしてるから、みんななるものなんだ、と思って部活を続けます。
ストレッチやテーピングでごまかそうとしてネットで調べるといろんなことが書いてあります、それを自分でやっても効果があまりなかったりして・・・気づけばすねが痛くて走れない。
治療のために接骨院に通ってもなかなか治らない・・・
いまこのページを読まれている方はそんな状態かもしれません。
このページでは当院が考えるシンスプリントがなかなか治らない理由をケースごとに解説します。
決して「こんな理由で治らないからしょうがないんだよー」というつもりではありません。
シンスプリントが治らないのは治すための何かが間違っているからなのです。
少しでも早くシンスプリントの治療を終えるために、一生懸命部活に打ち込めるようになってもらうために、この記事を書きました。
これをみて少しでも皆さんに当てはまるものがあれば、それを排除してシンスプリントを治すきっかけになってもらえばと思います。
すねの内側に痛みが出た時に安易にシンスプリントだと決めつけて(もしくは決めつけられて)いませんか?
痛みが治らない理由の一つに「そもそもシンスプリントじゃない」場合があります。
先輩が同じような痛みを経験をしていて「それシンスプリントっていうんだよ」と言われてそれを信じ込む場合もありますが、危険です。
特によく似た症状に疲労骨折があり、痛みの出方、出る位置、などがよく似ています。
「すねの内側が痛い!シンスプリントと疲労骨折の見分け方と治療とは」より
また整形外科でレントゲンを撮ってもらって「折れてない」と言われたのに痛みが取れず、1か月くらい後に別の整形でレントゲンを撮って「疲労骨折ですね」と言われてしまうケースがあります。
患者さんは「ええ?前の医者ふざけんなよー」って思ってしまうのですが、初期の疲労骨折をレントゲンで確定するのはほぼ不可能です。
そこは医学の限界というもの。患者さんのほうも知識をつけて臨まなければなりません。
あなたのシンスプリントはキチンと検査をしてありますか?
ここからはすねの内側が痛くなり、疲労骨折の疑いをなくすために、エコー検査やMRIを実施してシンスプリントであると確定されてからのお話をします。
シンスプリントとは過労性の骨膜炎とされています。
過労性というのはいわゆる”使いすぎ”ということですのでまずは安静にしなければ治りません。
これを守らずに治してほしいというのは不可能です。
一定期間のスポーツの休止は必要な要素です。
テーピングやアイシングはスポーツをする前後に行うのは一定の効果があると思います。
がそれをしていれば治るか?というのはあまり意味がないと思われます。
試合前のテーピングについてはこちらの記事も参考になさってください
後脛骨筋のマッサージやストレッチというのはあまり意味がないと考えます。
そもそも後脛骨筋はふくらはぎの骨のそばにあるため、体の表面から触ることが難しいです。
また筋肉の付け根が引っ張られて痛いのにストレッチでより引っ張るのはどういうものでしょうか。
後脛骨筋を鍛えられる方法ってものがないです。
あったとして後脛骨筋の筋力があがったことがシンスプリントの痛みとどう関係あるかわたくしにはわかりません(笑)
後脛骨筋の負担を減らすためのインソールはある程度有効と考えています。
シンスプリントを治療していくうえで足の回内状態を矯正するのは大事なことだと考えます。
痛みがなくなったあとにまた部活やスポーツを頑張るときに足の負担自体を減らすためにインソールを入れるのは非常に有効です。
足の回内についてはこちらの記事をお読みください
治療をするには、例えばテーピングを貼る場合どの筋肉に対して貼るか、というように治療の対象を決めなければなりません。
この対象が間違って治療をされているといくら治療をしても治るわけがありません。
盲腸でお腹が痛いのに胃薬を飲み続けているのと同じですね。
ここまで読み進めて来てくださった熱心に治そうとしている人は、いろんなHPをごらんになって、シンスプリントの原因は「後脛骨筋」が引っ張ってすねの内側が痛いんですよね?
って思っているかもしれません。
または通っている接骨院で「後脛骨筋を緩めれば治ります」と言われて治療をされている人もいるでしょう。
後脛骨筋は足のアーチを形成するための大事な筋肉であるので、そこに走りすぎによる負担がかかって痛みがでるというのは理にかなっています。
治療の対象の一つとなる可能性は高いでしょう。
しかし、あくまで対象の一つなのです。
スポーツというのは全身運動です。
足首だけ動かすスポーツというのがあるかどうか知りませんが・・・
スポーツをするときに後脛骨筋だけ使っているのか?というとそうではありませんね。
走るときに右足をスムーズに前に出すために左腕を前にふります。
ボールを遠くまで蹴るためにカラダをねじります。
ボールをアタックするのにカラダを反らせます。
こんなふうに全身を使っているのに後脛骨筋だけを痛みの理由にすることが間違っていると思いませんか?
ほとんどの接骨院ではこの後脛骨筋に対しての治療をされていると思いますし、そして後脛骨筋が理由の場合も多々あるでしょう。
しかし筋膜や骨膜のつながりを見ていくと本来伸びるべきところが伸びなかったり、逆に縮んでいるべきところが縮んでいなかったりすることがあります。このアンバランスを追っていくとシンスプリントの位置につながっているのです。
つまり後脛骨筋はシンスプリントの原因の氷山の一角なのです
後脛骨筋から筋筋膜経線という筋膜のつながりを見ていくと
後脛骨筋→足底筋→超腓骨筋→第4のハムストリングス→仙結節靭帯と骨盤のほうへ、また骨盤から上半身へとつながっているのです。
シンスプリントが治らない理由をあげさせていただきました。
①シンスプリントじゃないから
②スポーツを続けているから
③治療方法が間違っている
④治療対象が間違ってる(もしくは足らない)
最初にも書きましたがこんな理由があるから治らなくてもしょうがないんですよ
という思いではなく、みなさんの治療の参考になればという気持ちで書きました。
これらの理由の一つが原因ではなく複数の理由が組み合わさっている可能性もあるでしょう。
シンスプリントの痛みが消えて競技復帰するまでをテーマにした記事です
こちらもご覧いただけると幸いです。
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▼シンスプリントがなかなか治らない理由
▼シンスプリントと疲労骨折の見分け方
▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
シンスプリントが治りきらず試合や練習に臨まなければならないのはつらいことですね。
しかしどうしても治療の時間が間に合わずに試合が差し迫っているときにはテーピングというのも一つの手段になると思います。
このページでは試合当日に自分でできるテーピングの貼り方をご紹介します。
この貼り方だったら、だれでも簡単にシンスプリントのテーピングができるようになる!かもしれません(笑)
テーピングを貼るとき、知っておいたほうがいいことがあります。
どんな種類のテーピングを貼ったらいいのか?とどの筋肉をサポートしたらいいのか?です。
簡単にいうとホワイトテープとキネシオロジーテープの2種類があります。
ホワイトテープとは伸びないテープで主に関節の固定用に使います。
ケガの直後はこちらのテープを選択します。
キネシオロジーテープとは伸びるテープで主に筋肉のサポート用に使います。
簡単に取り扱えることが特徴で、ケガが治りつつあって競技復帰するときなどにはこちらを使うことが多いです。
今回のテーピングは筋肉のサポートがメインとなるのでキネシオロジーテープを使用します。
もしお持ちでない方はドラッグストアなどで50㎜幅のキネシオロジーテープを購入してください(写真のキネシオは業務用です)
テーピングで筋肉のサポートをする場合、その走行にそって貼ることが第一になります。
ですので筋肉の走行を知る必要があります。
主にサポートする筋肉は後脛骨筋と長趾屈筋という筋肉になります。
各々どんな走行をするかは下に書くテーピングの貼り方のところで解説します。
ここからはシンスプリントに実際に貼るテーピングについて解説します。
これらのテーピングは治療のためのテーピングではなく試合にでるためのサポートだと考えてください。
このテーピングを貼っているだけでシンスプリントが治るわけではありません。
後脛骨筋は足の内側の真ん中(舟状骨)から内くるぶしの後ろを通ってふくらはぎの左右の真ん中を頭方にあがって終わります
テーピングの手順(タブをタップすると切り替わります)
①カラダから見た舟状骨はここ
②50㎜幅のキネシオを6マス半用意。写真の位置を切り取ります。
③内くるぶしの後ろに貼ります
④短いほうを先ほどの舟状骨に向かって貼ります
⑤長い方をふくらはぎの真ん中に向かって貼ります
⑥完成です
体表に後脛骨筋を投影した図と比較してみましょう
※引用文献 「大峰閣 骨格筋の形と触察法 改訂第二版 河上敬介 磯貝香」
投影図よりやや内側に入るくらいになります。
長趾屈筋は足の裏の指の付け根から足の裏を後方へ進み内くるぶしの後方を通ってすねの内側につきます
体表に投影するとこんな感じです
※引用文献 「大峰閣 骨格筋の形と触察法 改訂第二版 河上敬介 磯貝香」
50㎜幅のキネシオロジーテープを6マス半から7マス半ほど用意します(27㎝~32㎝くらい)。先端を斜め(左右で斜めの向きは違います)にして4つに切り目をいれます
足の中心よりややつま先よりに4つまたの付け根をはり一本一本を足の指に対応させてはります。このとき足でグーをするようにします。
そのあと足の指の腱にそって内くるぶしの後ろを通るようにすねの内側やや後方に貼っていきます。最後は引っ張らないでくださいね
ちなみに当院ではこのテープを多用します。
上記の2本のテーピングを同時にはります。
痛みが出ているポイントで2本のテープがクロスするイメージで貼るといいでしょう(写真の矢印)
※都合でこの写真の長母指屈筋のテープは4つに切っておりません
先ほども書きましたがこのテーピングは治療のために使う貼り方ではなく試合のためのサポートです。
近年の知見ではシンスプリントは痛みのある場所だけが原因ではないという判断をする先生もたくさんいるようです。
よく似た症状で疲労骨折をしていた場合というのもたくさん遭遇しました。
もしお力が必要であればいろは接骨院は喜んで協力いたします。
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ここからはシンスプリントや疲労骨折だけでなく、一般的にケガをして松葉杖が必要な場合はどんなときか?を紹介します。
ギブス固定が足首の下から膝の上くらいまで必要な場合があります。すねの骨が完全に骨折してるような場合です。
このときギブスが邪魔で歩行に著しい障害が発生しているので単純に歩きにくいですよね(上の写真のような)。
この場合は移動するという目的のために松葉杖が必要になります。
骨折の治癒が早まる条件・遅れる条件というものがあります。
患部に「剪断力(せんだんりょく)」という力のかかり方をする場合、治癒のための条件がいいとは言えません。
剪断力とは下の図の右側のような状態です
①体重による力
②骨折患部に働く力
③骨折の向きにより患部が離れようとする力
このような場合、体重がかかることで患部に剪断力が働かないようにして、骨折の治癒が遅れるのをふせぐために松葉杖が必要といえます。
シンスプリントや疲労骨折では
・ギブス固定したとしても足首から膝を超えることはない
・骨折が完全なものではないので剪断力を心配する必要がない
ということからこの判断がシンスプリントや疲労骨折で松葉杖の必要性を考える一番の項目になるといえます。
ここで松葉杖を使うメリットとデメリットをご紹介したいと思います。
先ほどの松葉杖が必要とされる状態を回避することができるというのは一番のメリットといえます。
荷重がかかって痛みがでたり、骨折の治癒が遅れることを回避できます。
松葉杖の最大のデメリットは「松葉杖をやめるとき」にあります。
これまでかからないようにしていた荷重が患部に加わることで傷口が拡がってしまう場合があります。ですのでなるべく普段の荷重がかかる状態で治療をしていくことが理想だといえます。
これらの松葉杖のメリット・デメリットのバランスを考えて松葉杖を使用するのがいいでしょう。
ここからは当院でシンスプリントや疲労骨折に行っている固定であるインソール組込式U字シーネをご紹介します。
当院のブログでも時々でてきます、インソール組込式U字シーネは足首から下の骨の配列を正しい状態にすることですねにかかる力のバランスを整えてくれるものです。
もちろんシーネとして患部の保護や支えにもなるので患部の固定としての役割も果たしています。
この固定法の優れているところは、ギブスを付けたまま松葉杖無しで歩けるということです。
当院ではこの固定をして体重をかけて痛い場合、松葉杖が必要という判断の基準になっています。
※ちなみにこれまで松葉杖を使うことになった患者さんはいません
また松葉杖なしで歩けるということは「自分で学校に行かせることができる」というメリットもあります。
朝と夕方の送り迎えがお母さんたちの負担になるのを減らすことができますね。
当院では足首のねんざの場合にもこのギブスを作成することが多いです。
・シンスプリントやすねの疲労骨折で松葉杖がいるかの判断で一番カンタンなのは体重をかけて痛いかどうか
・痛い場合は患部に良くない方向の力が加わっている可能性があるのでご注意を!
・松葉杖を使うときはメリットデメリットがあるのでそれを判断材料に。
・当院では歩きやすくなるためのギブスをつけても痛みが出る場合、松葉杖が必要と判断します(ほとんどないです)
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▼シンスプリントがなかなか治らない理由
▼シンスプリント用の試合前のテーピングの貼り方
▼シンスプリントや疲労骨折では松葉杖が必要か?(読者さんからの質問)
について書いてあります。どうぞ合わせてお読みください
いろは接骨院にはスポーツや部活動をがんばっている子供たちが多く通院しているのですが、「すねの内側」に痛みが出て来院されることが多くあります。
しばらく休むとそれはなくなることもあるのですが、運動を再開するとまたすぐに痛みが・・・なんてことも少なくありません。
そのすねの痛みは何なのか?どう対処すべきか(当院ではどのように行っているか)をご紹介したいと思います。
スポーツや部活動をがんばっていて、すねの内側(まれに外側)が痛くなるのは足にダメージの蓄積が溜まった状態だからです。
特にすねの内側に発生しているものは二つあり、ダメージがすねの骨の骨膜に蓄積されて痛みが出ているものをシンスプリントといい、ダメージがすねの骨本体にキズをつけてしまったものが疲労骨折となります。
どちらも繰り返しの衝撃によるダメージの蓄積が痛みの原因となっていて、こういった状態をまとめてスポーツ障害といいます。
※ちなみにスポーツ障害の反対はスポーツ外傷といい一度の衝撃でキズがついてしまった状態(例えば捻挫や骨折、打撲をさします)です。
ウィキペディアによると
シンスプリント(英: Shin splints)は、下腿内側に位置する脛骨の下方1/3に痛みが発生する症状。骨折した時のような激しい痛みではなく、鈍痛なのが特徴である。脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん、英: Medial tibial stress syndrome)ともいう。
基本的に体を動かすどの運動においても、十分な筋力の整っていないうちからいきなり激しい運動をした際に起こりうるものではあるが、マラソン選手や陸上競技のランナーなどには特に起こりやすい。
となっております。
カンタンな言葉で言い換えると
「シンスプリントはすねの内側の骨の下1/3に痛みがでる。鈍痛が起こる。脛骨過労性骨膜炎:すねの内側の骨の使いすぎによる骨膜に炎症が起こっていると考えられる。陸上競技でなりやすい」
となります。
ウィキペディアによると
疲労骨折(ひろうこっせつ)は、一度では骨折に至らない程度の応力が、骨の同一部位に繰り返し加わることにより発生する骨折である。
となります。弱い力も繰り返しのダメージが蓄積されて骨折に到る、ということです。まさにスポーツ障害の典型と言えるでしょう。
よく似た症状の傷病がある場合、それがどっちなのか確定しなければなりませんよね。
シンスプリントと疲労骨折も
・スポーツ頑張っている人(よく走る人)に発生する
・すねの内側を痛がる
・走ると痛い
という似た症状ですがその見分け方は次の通りになります。
シンスプリントがよく起こる位置は内くるぶしから握りこぶし1つぶん頭方(上方)の辺りになります。
(あとで実際に痛みのある点の画像があります)
すねの骨の疲労骨折が起こる位置は行っている競技によって異なります。
文献によると
脛骨疲労骨折は疲労骨折のなかではもっとも多発する。発生部位は上中1/3、中央1/3、中下1/3にみられ、上中1/3と中下1/3は疾走型疲労骨折と呼ばれ、長距離走者に多くみられる。しかし、疾走型のものとは異なり、中央1/3にみられる疲労骨折は跳躍型疲労骨折と呼ばれ、走り高跳び、走り幅跳びなどの、ジャンプ種目に多く発生する。※引用文献「南江堂:下腿と足の痛み 高倉義典」
とあります。まとめると、すねの骨の上部と下部で起こるのは走る競技(疾走型)、すねの中心部で起こるのがジャンプする競技が多いとされています(跳躍型)
なので、すねの内側の上のほうや真ん中の場所を痛がる場合は疲労骨折を起こしてる場合が多いです。
また足の下1/3(内くるぶしからこぶし一つ上)辺りが痛い場合、これはシンスプリントも疲労骨折もどちらも考えられますので自分で判断しないほうがいいでしょう。
骨折かどうかを見極めるのには一般的にレントゲンを撮影しますよね?
しかしこのふたつの鑑別ではレントゲンはあまり意味がありません。なぜなら一般的に疲労骨折の初期の場合、レントゲンには写らないことが多いからです。
それよりはエコー観察装置を用いて患部の血流反応を見た方がよいでしょう。
写真は足の甲の疲労骨折のエコー観察をしたときのものです
当院のエコー観察記録より引用
エコーを使った疲労骨折の観察をyoutubeで紹介しております。ご参考になさってください。
鑑別して痛みの原因がシンスプリントか疲労骨折かが判別できたら、対処・治療しなければなりません。
疲労骨折は一般の骨折と違いありません(いわゆるヒビも骨折に入ります)。
ですので自分でできることというのは無いと思ってもらったほうがいいです。
専門の先生がギブスやシーネで固定すると思うのでそれに従いましょう。
しいていうなら、治療が終わって再開するときに足の衝撃を緩めるインソールを入れることを検討してもよいと思います。
また治癒期間を短くするために超音波治療器を当てるのもオススメです。
まず、自分ですべきことの最優先は部活やスポーツを一定期間休みましょう。
シンスプリントは繰り返しのダメージが溜まって発生していることは先ほど述べました。まずはこのダメージを取り除かないと何にも始まりません。
スポーツや部活を続けながらスポーツ障害を治そうとするのが一番無意味なことだと理解してください。
お酒を飲みすぎてカラダを壊した人が「酒を飲み続けながら治療するわ」っていうのと同じくらい無意味なことです。
テーピングやアイシングをすることも有効ではありますが、これらは痛みがでたときの応急処置やサポートだと思ってもらったほうがいいと思います。
一応アイシングとテーピングのやり方を以下に書いておきます。
アイシングの方法
痛みが出ているところに氷や保冷剤を使って直接冷やします
コールドスプレーや冷やすシップというのは熱を取ってくれるわけではないのであまり意味がありません。
15分間、氷を当てた後しばらく間をおいて再び15分間氷を当てる。
テーピングの方法
5㎝幅のキネシオロジーテープを25㎝から30㎝ほど用意します。先端を斜め(左右で斜めの向きは違います)にして4つに切り目をいれます
足の中心よりややつま先よりに4つまたの付け根をはり一本一本を足の指に対応させてはります。このとき足でグーをするようにします。
そのあと足の指の腱にそって内くるぶしの後ろを通るようにすねの内側やや後方に貼っていきます。最後は引っ張らないでくださいね
当院での施術方法
当院でシンスプリントに一番効果を発揮しているのがアナトミートレインという考え方を使っての施術です。
アナトミートレインとは
これまでシンスプリントのようなスポーツ障害は、痛みが発生している箇所にある筋肉(この場合、後脛骨筋)が硬くなり炎症や引っ張りが強くなることで発生していると考えられてきました。
近年、筋肉の表面である筋膜や靭帯、骨の表面の骨膜(これらをまとめてファシアと呼びます)は体中に張り巡らされており、決まったラインを通ると考えられています。
※引用文献「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
このラインがアナトミートレイン(列車の通り道を想定)と呼ばれます(図はその一例)
ファシアのラインの一部が動かないことで(逆に動きすぎたりすることで)違う部位に痛みが発生しているという考え方です。
患部の直接的な炎症や歪みだけでなく、この列車の通り道であるファシアのラインに起こっている動きの歪みを正しい状態にすることで痛みを消失させる施術になります。
実際のシンスプリントの症例をごらんいただきます。
シンスプリントの治療の原理や実際をこちらの記事にまとめました。
一度お読みくださいますと幸いです
①すねの内側が痛い場合、シンスプリントか疲労骨折が発生している可能性が高い。
②まずは休むこと。休んでも痛みが取れない、もしくはスポーツ再開してすぐに痛くなるようだったら専門的な治療をしてくれるところへ。
③専門的なところでもシンスプリントと疲労骨折の見極めは難しい場合が多い
少なくともエコーが無いとわからない
④疲労骨折の場合、通常の骨折と同じ扱いなのでギブスやシーネでの固定をする
⑤シンスプリントの場合、全身に張り巡らされている筋膜のライン(アナトミートレイン)が異常をきたして痛みが発生している場合がある。それを調整する治療は実績がある。
シンスプリント・疲労骨折の治療についてわからないことがあれば、お気軽にお問合せください
059-333-4155
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]]>いきなり結論となる部分を書きます。
ちょっとした解剖学になってしまいますが、痛みが出ている部分には何の組織があるのかを知らなければ前に進めません。
腰椎の椎体の上関節突起と下関節突起からなる関節が椎間関節です。椎間関節性腰痛という言葉もあります。
棘突起と呼ばれる背骨の真ん中の突起(背中の中心で触れる部分)から2~3㎝左右の外側かつ1㎝ほどお尻の方にずれ込んだ場所にあります。
椎間関節の役割は腰椎の前後の動きに対応しています。ので、椎間関節の関節包にファシアの重積と呼ばれる硬さがあると動きが悪くなり炎症や痛みの原因となります。
またファシアに存在する痛みを感知する神経が過敏に反応してしまい少しの刺激で痛みを感じることになります。
多裂筋は腰椎の棘突起と椎間関節の間にある筋肉です。
脊柱起立筋の中枢側にある筋肉です。椎体の棘突起についているので右の多裂筋が働くと身体は左にひねられ、左の多裂筋が働くと身体は右にひねられます。
※引用文献「ファッシャルリリーステクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術」James Earls & Thomas Myers
(※緑の矢印が多裂筋)
実際に起こっているのは多裂筋にキズなどがついてるわけではなく多裂筋の筋膜にこちらもファシアの重積が溜まり多裂筋の働きを阻害しているために筋肉に硬さがうまれます。
それによって多裂筋が伸ばされる状態で痛みを感じる、というわけです。
ファシアの重積とは
聞きなれない言葉である「ファシアの重積」とはどんなものか?ということを他のページでも書いてありますのでご一読ください
先ほどの項目でも書きましたが多裂筋は身体をひねる動作を、椎間関節は身体を前後に倒すときにたくさん動くことになります。
なので、この二つの動きをしてもらうことが切り分けの第一歩となります。
(写真は実際の患者さんに後日送っていただきました。ありがとうございます)
椎間関節が悪い場合に痛い動き
多裂筋が悪い場合に痛い動き
押して痛みの発生する位置で鑑別をします。
ファシアの重積がある部分は押されるとなんとも言われぬ痛みが発生します。
ズキっという早い痛みもあればズーンという遅い痛みの場合もあります。
椎間関節が悪いときに押して痛い場所
赤いところが棘突起(3つだけ書いてますホントももっとあります)椎間関節という部分が押して痛くなります。
多裂筋が悪いときに押して痛い場所
緑の多裂筋という部分が押していたくなります。
実際にカラダの中を見ることのできるエコー観察を行うことで実際のファシアの重積が確認できます。
この下の実際の症例のところで紹介していますのでご覧になってください。
以上の3つで痛みの原因がほぼ確定することができます。
ここからは実際にいろは接骨院に来られた患者さんに対しての施術の流れをご紹介します。
患者さんからの来院前のLINE(言いにくい笑)です
おじぎや後ろへ反らす動きが相当痛いとのことです。
ちなみにお仕事はパーソナルトレーナーさんです(許可を取っての掲載です)。
来院後に痛みの場所を確認しました。
と答えこの辺を指さしました。
これは背骨の椎間関節の位置を示していました。
おじぎや身体を反らしてもらおうとしましたが痛みでほとんど動かせない状態でした。
逆に身体をひねる動きは全然問題なさそうでしたので、今回は椎間関節が一番の原因であると疑いました。
↑痛い
↑痛くない
棘突起から2~3㎝外側のところを少しお尻のほうへズラして押すと圧痛がありましたので椎間関節で間違いないでしょう。
エコーで精査をしましたところ、椎間関節の真上というよりはほんの少しズレたところにファシアの重積が強くでていることがわかりました。
※タブをクリックすると切り替わります
腰椎が5つあるうちの二つの椎間関節にファシアの重積が見つかりました。
ので当院で行っているファシアリリース治療を行いました。
※画像はイメージです
エコーの画像はこちらになります。
※タブをクリックすると解説が入ります
エコー観察をした椎間関節の部分だけでなく胸腰筋膜のリリースもプラスアルファとしておこなうと腰痛には効き目がありますのでそちらも実施しました。
ファシアリリース・筋膜リリースのいろは接骨院での考え方はこちら
自覚症状の痛みを数字で表してもらいます
2日後
とおっしゃって再度来院されました。
で施術したら1になったとのこと。
1になったらもう自然にしていても痛みが引いていくと思います。
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